挑戦の連続で人生を形作る、稀代の起業家、真田哲弥。その彼の哲学は、失敗を恐れず、未知の世界に踏み込む勇気に満ちている。彼が創業したKLab株式会社は、単なる企業体ではなく、次世代のテクノロジーを形にする実験場だ。
1964年、大阪府で生まれた真田は、小学生時代から“真田十勇士”とあだ名されるほど、勇敢で行動力にあふれていた。中学生からは歴史小説に没頭し、特に坂本龍馬の生き様に深く影響を受けた。関西学院大学に進学した彼は、学業と並行してスキー合宿を組み込んだ旅行事業を手がけ、初の起業を経験。この時の社名は“株式会社リョーマ”—自身の憧れをそのまま刻んだものだ。
大学卒業後、真田はさらに事業の幅を広げ、ダイヤルQ2サービスを手がけるネットワーク事業を立ち上げる。しかし、急成長した事業は、NTTの規制変更により崩壊。莫大な負債を抱えた彼は、自らを見つめ直し、再起を誓った。その後、インターネットの勃興期にいち早く着目し、新しい時代の波に乗るべく、技術の習得とスタートアップ企業での経験を積んだ。
1998年、彼はサイバードを共同設立し、モバイルインターネット分野で革新を起こす。その後のKLab設立は、まさに彼のビジョンの集大成だった。携帯電話向けソフトウェア開発を起点とし、やがてスマートフォン時代に対応したオンラインゲーム事業へと進化。代表作の『BLEACH Brave Souls』や『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』は、日本のみならず、150以上の国と地域で配信され、KLabを世界に知らしめる存在へと押し上げた。
だが、成功の裏には多くの試練があった。海外進出での失敗、急速な規模拡大による組織運営の難しさ、そして自身がゲーマーではないという葛藤。これらの経験を経て、真田は「自分が得意ではない分野は専門家に託すべきだ」という境地に至り、2019年にはKLabの社長職を後進に譲り、会長職に専念することを決断した。
2022年、彼は再び新たな挑戦を始めた。子会社BLOCKSMITH&Co.を設立し、ブロックチェーンとAIを活用した次世代サービスの開発に着手。彼の哲学は一貫している。「何もない場所に足跡をつける方が楽しい」。誰も成し遂げていない道を切り開くことこそ、彼の喜びであり、使命だ。彼の姿勢は、過去の成功や失敗にとらわれることなく、未来を切り拓く原動力となっている。KLab会長として、そして新たな領域を探求する起業家として、真田哲弥の挑戦は今もなお続いている。その歩みは、どこまでも自由で、果てしない地平線を目指している。

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役職
取締役会長
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氏名
真田 哲弥
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会社名
KLab株式会社
自信なんて
根拠がないくらいが
ちょうどいい
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