株式会社スカイスクレイパーの代表取締役社長、諸沢莉乃。彼女は15歳で「カレーハウスCoCo壱番屋」のアルバイトとして働き始め、22歳で同社の社長に就任した。その異例のキャリアは、多くの人々の関心を集めている。
諸沢は秋田県生まれ、横浜市育ち。高校1年生のとき、自宅近くのココイチでアルバイトを始めた。職場には、常に笑顔で前向きな女子大生の先輩がいた。彼女の姿に憧れ、「私もこんな人になりたい」と思うようになった。その思いが、接客業への情熱を深めていった。
2021年、全国で16人目となる本部認定の接客スペシャリスト「ココスペ『スター』」に認定された。その際、当時の西牧社長から「次期社長をやってみないか?」と打診を受けた。彼女は二つ返事でこれを引き受けた。「人のために汗をかきたい」という思いが、社長就任への決意を後押しした。
2024年5月、22歳の若さで代表取締役社長に就任。彼女は「意志ある者にはチャンスを」という社風を守りつつ、現場に積極的に出て、直接スタッフとコミュニケーションを図ることを大切にしている。「わからないことは素直に聞き、教え合い、年齢、性別関係なく会社全体で高め合える関係を作り続ける会社を目指します」と語る。
彼女の成長意欲は、幼少期から培われたものだ。勉強や運動が得意ではなかったが、「意欲」だけは誰よりも高かった。両親や友人からは、その取り組みに対する関心や意欲を褒められてきた。その経験が、自己肯定感を高め、チャレンジ精神の源となっている。
現在、従業員440名を率いる経営トップとして、日々勉強を重ねている。今後3年間で財務や人事、マーケティングなどの業務を段階的に引き継ぐ予定だ。「いい人が集まる会社にするには、いい会社じゃなきゃいけない」という前社長の言葉を胸に、一人ひとりの幸せの価値観に向き合いながら、成長機会を提供できる会社を目指している。
彼女のリーダーシップは、スタッフとの信頼関係に基づいている。「楽しむ側でなく、楽しませる側になれ」という前社長の教えを実践し、スタッフの顔色を窺いながら管理する立場としての責任を果たしている。その姿勢が、スタッフからの信頼を集め、会社全体の士気を高めている。
また、彼女は素直さを大切にしている。「最初は分からなかったことでも、素直に受け入れれば数年後に立場が変わって分かることがある」と語る。その姿勢が、彼女自身の成長を促し、周囲の人々にも良い影響を与えている。
彼女の目標は、スカイスクレイパーを「人として」「人間性」を高め、“愛”のできる会社にすることだ。そのために、現場目線を大切にし、スタッフ一人ひとりと寄り添いながら、共に成長していくことを目指している。
22歳という若さで社長に就任した彼女の挑戦は、これからも続く。

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役職
代表取締役社長
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氏名
諸沢 莉乃
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会社名
株式会社スカイスクレイパー
楽しませる側になれ
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