• 役職

    代表取締役社長

  • 氏名

    松倉 敬士

  • 会社名

    栃木乳業株式会社

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栃木県栃木市、那須・日光の雄大な自然のふもとに位置する栃木乳業株式会社は、創業から約70年の歴史を持つ牛乳メーカーである。代表取締役社長の松倉敬士氏は、地域の酪農家と密接に連携し、栃木県内の新鮮な生乳を100%使用した製品づくりに情熱を注いでいる。

同社の製品ラインナップは多岐にわたり、牛乳はもちろん、生クリーム、乳飲料、ヨーグルトなどを首都圏を中心に販売している。特に「蔵の街シリーズ」のヨーグルトは、健康志向の高まりとともに多くの支持を得ており、日々進化を続けている。

また、平成16年11月には、関東牛乳から「関東・栃木レモン」を引き継ぎ、栃木県のソウルフードとして県内外に提供している。この「レモン牛乳」は、その独特の甘さと爽やかな風味で、多くの人々に親しまれている。


松倉氏は、製品の安全と品質保証を最優先に考え、「おいしさと健康」を兼ね備えた商品づくりを追求している。平成14年11月にはHACCPシステムによる衛生管理を導入し、さらに昨年、国際的な食品安全規格であるFSSC22000を取得した。これにより、品質管理のレベルをさらに高め、消費者が安心して選べる製品を提供することを使命としている。

しかし、近年の少子化や生活様式の変化により、牛乳の需要は減少傾向にある。松倉氏は、「現在はヨーグルトや乳飲料などの乳製品開発に注力しています」と語り、付加価値の高い商品の提供を通じて、消費の拡大を図っている。

一方で、酪農家が直面する厳しい現実もある。エサ代の高騰や円安の影響で赤字経営が続き、多くの酪農家が廃業を余儀なくされている。松倉氏は、「小規模酪農家が地域に存在し続けることが、地元の酪農業の多様性を守るカギです」と訴え、地域の酪農家との連携を強化し、持続可能な酪農業の発展に努めている。

栃木県は、北海道に次ぐ国内第2位の生乳生産地であり、約600の酪農家がこの地に根を張っている。松倉氏は、「この酪農家の努力を無駄にしないためにも、栃木産の牛乳や乳製品を消費していただきたい」と呼びかけている。

最後に、松倉氏は次世代に向けて、「仕事を好きになること。それが人生を豊かにする鍵だと思います」とメッセージを送る。自分の好きな業種につけるのが一番だが、そうでなくても縁あってその仕事をしているのだから、まずはその仕事を好きになる努力をしてほしいと語る。人生の多くの時間を占める仕事だからこそ、それを愛する姿勢が重要だと説いている。

栃木乳業株式会社は、地域の酪農家とともに、新鮮で安全な乳製品を提供し続けることで、地域社会への貢献を果たしている。松倉敬士氏のリーダーシップのもと、これからも「おいしさと健康」を追求し、消費者に喜ばれる製品づくりに邁進していくことだろう。

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